九州建設アスベスト訴訟を支える会

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    6月7日全国一斉3陣提訴行動

    アスベスト建材企業は国の補償基金に参加を

    建設アスベスト訴訟 3陣提訴行動
    入廷する3陣原告

    建材企業に対する全国一斉提訴行動

    昨年5月17日の最高裁判決は、建設アスベスト被害者原告に対する国と建材企業の賠償責任を確定させました。
    被害者原告は、賠償が確定した企業に対して面談による謝罪を求めましたが、いずれの企業もこれに応じていません。謝罪文を封筒に入れたものを弁護団の事務所にまとめて送りつけるのみで、謝罪の意思は伝わるものでなく、原告・弁護団は強いいきどおりを感じています。

    全国10地裁に提訴原告総数は190人

    こうした建材企業の姿勢を変えさせるため、6月7日全国10か所の地方裁判所に一斉集団提訴をおこないました。
    提訴に踏みきった被害者数は137人、原告総数は190人で、居住地でみると25の都道府県に広がりました。提訴した原告の願いは、建材企業の真摯な謝罪と国の建設アスベスト被害者給付金制度に参加させることです。※10地裁~札幌・仙台・埼玉・東京・横浜・京都・大阪・岡山・高松・福岡

    福岡地裁にも7人が提訴

    建設アスベスト九州訴訟本部としても被害者数7人(福岡3人、熊本4人)、原告総数15人が福岡地裁に提訴しました。提訴前の門前集会では、山本弁護団長は、「反省しない企業を取り囲んで、責任を明らかにしていく」と3陣提訴の意義を述べました。さらに田中弁護団事務局長は「最高裁で責任が確定したら普通なら真摯に謝る。なぜ大企業である建材企業ができないのか?あわよくば、引き延ばして逃げたいと思っているのではないか。みんなで力を合わせて逃げ得を許さない運動を」と訴えました。
    その後、1陣2陣原告から3陣の原告に「たすき」が引き継がれ、3陣原告3名が紹介され、原告団が提訴のため入廷しました。

    九州建設アスベスト1陣訴訟 企業責任について最高裁が判断

    企業の賠償確定

    2月10日、最高裁判所第二小法廷(菅野博之裁判長)は、九州建設アスベスト1陣訴訟について、当事者双方(一審被告企業4社(エーアンドエーマテリアル、ニチアス、ノザワ、ケイミュー)と一審原告らが申し立てた上告受理申立を不受理、前記企業4社の上告を棄却とする決定を行いました。
    これにより、被告企業4社に対する一審原告らの勝訴が確定しました。

    訴訟団の声明

    原告の声

    ◆平元薫  1陣原告団長

    10年よく頑張ったと思う。
    最高裁の判断が出て一応、みんなで喜びたかったが、急なことで 来られない方も多かった。これを聞いて安堵もある。
    体調が悪くて 2年くらい前までは年に1回くらい入院していた。こんなに生きられないと思っていたが今日のことが聞けて良かった。

    ◆中村吉子 遺族原告

    主人は病気ひとつしない人だったが、アスベストには負けました。初孫を抱いて1ヶ月あまりで亡くなった。
    企業に勝って嬉しいものの謝ってくれないのが悲しい。

    ◆柴田清子 遺族原告

    10年前は右も左も判らなかった。亡くなった方も沢山いる。今日12時半頃(企業責任確定を)聞いてよく受け止められなかったが、思い浮かべると良かった。
    東京、大阪に企業要請に行ったが門前払いだったことを改めて思い出す。企業側は、自分たちの仕事のことがわからない若い社員ばかりで、いつもこちら側とかみ合わないやり取りで終わってきた。
    国との和解では、最高裁の裁判官から「長い間ご苦労さまでした」と言われた時は嬉しかった。今日、原告は3人しか来ていないがみんな集まってバンザイしたい。

    ◆九州建設アスベスト訴訟1陣弁護団  山本 一行 弁護団長

    対国、対企業とも屋外工の責任は認められなかったが外装材メーカーのケイミューの賠償責任が確定したのは大きな前進。

    建設アスベスト訴訟 ニチアス包囲行動

    賠償が確定したニチアスは被害者に面談して謝罪を
    国の救済基金に拠出して賠償責任を果たせ

    「建設アスベスト訴訟」は、国との間では和解による解決をみました。その一方で、国よりも先にアスベストの危険性を知り得る立場にあったアスベスト建材企業は、責任を認めないまま未だに被害者と裁判で争い続けています。1月25日と26日の両日、中心的な建材企業である「ニチアス」九州支社前などで、これまでにない大規模な宣伝行動をおこない謝罪と賠償を求めました。

    福岡と北九州の事業所に、のべ296人が参加

    両日とも、福岡市中央区の「九州支社」、北九州市八幡西区の「北九州営業所」に向けて昼休みの時間帯に行動。原告・弁護団・福建労各支部の役員など296人が参加しました。

    原告先頭に九州支社要請

    九州支社の宣伝前には1・2陣原告ら訴訟団12名が支社事務所を訪問。
    「最高裁判決後、国は責任を認め首相が被害原告に直接謝罪した。アスベスト建材シェアトップのニチアスもこれ以上先延ばしせず早期解決をはかれ」と要請書を渡して訴えました。この取り組みは、建設アスベスト訴訟全国連絡会として全国各地で取り組まれました。


    九州建設アスベスト訴訟  第1陣訴訟 原告団長
    平元薫さん

    国とは和解が成立しましたが、アスベストを使って私たちの命と健康を犠牲にしながら利益を上げ続けてきた建材企業は、和解を拒否しています。
    これは「反省をしていない」と言っているのと同じです。国が救済制度までつくったのに、建材企業の姿勢には怒りを覚えます。世間も許さないと思います。謝って賠償をしないといけないのは明らかです。いたずらに時間を延ばし、その間に沢山の原告の仲間が亡くなっていくのをこれ以上見たくはありません。ニチアスに限らず、アスベスト建材企業には、一日でも早く和解に応じることを望みます。


    九州建設アスベスト訴訟 第1陣訴訟 原告副団長
    石原律子さん

    裁判を闘って10年になります。
    2021年10月13日、国に勝利しました。体が資本の建設労働者。アスベストで苦しみながら亡くなった原告が半数以上です。危険とわかっていながら(アスベストを)使わせ続けた建材メーカーにも責任があると判決が出ているのに、それを認めようとしません。国は責任を認め総理大臣が被害者を前にして直接謝罪しました。建材メーカーも1日も早く責任を認めて原告に謝罪してほしいです。

    建設アスベスト訴訟 国と和解成立

    提訴から10年、国が謝罪、次は企業の責任追及

    12月13日、最高裁で係属していた九州建設アスベスト訴訟1陣訴訟で国との和解が成立しました。
    翌14日は、九州選出の国会議員に支援をいただいて、国との和解が成立したことのお礼と報告のために訪問しました。アスベスト含有建材が「人体に深刻な被害を及ぼす」と判っていながら製造し続けた、企業の責任も重大です。今後は被告企業に対して原告に謝罪させるとともに補償基金に参加させる新たな闘いを進めていくことが重要です。

    2011年10月5日に福岡地裁に提訴してから10年、この間、全国のアスベスト訴訟を闘う仲間と連帯して地裁、高裁と国を断罪する判決を勝ち取ってきました。5月17日に先行する首都圏・関西の4訴訟で「国・建材企業の責任断罪」の最高裁判決が出され、今回の和解となりました。

    当日は、東京と福岡で記者会見が行われ1陣平元原告団長は「喜ばしいこと。(提訴から)10年の節目でやっとです。一人でも多く生きてる間に企業との闘いに決着をつけたい」と企業の闘いへの決意をのべました。1陣の石原副団長は「2011年の提訴から10年かかり、(作業員本人の)原告はほとんど亡くなった。生きているうちに(和解成立を)聞きたかったと思う」と、国との長い闘いを振り返りました。
    東京での記者会見には、石原律子原告副団長・柴田清子原告・南嶋秀子原告が出席、福岡の記者会見には、平元薫原告団長、中村吉子原告、髙橋登代子原告が出席し、さらに企業に対して闘う決意を固め合いました。

    建設アスベスト2陣訴訟 国の謝罪を受けて和解締結へ

    2陣・1陣原告 順次国との和解へ、残された企業との闘いへ

    建設アスベスト訴訟2陣和解期日が、11月10日福岡地裁でおこなわれました。
    この期日は、9月27日におこなわれた11回期日で、国からの九州訴訟で初の和解の申し入れがあり、それを受けて行われたものでした。

    弁護団や2陣原告の代表者が法廷に入廷。それ以外の支援者はサイエンスホールで和解の内容について学習しました。
    期日終了後に期日報告会がおこなわれ、山本弁護団長が「(国からの和解提案は)謝罪もあれば、補償もある。みんなで喜び合いたい。さらにまだ和解してない原告も国は順次和解する見通し、2陣の大部分の原告について和解が成立したこと。和解が成立していない原告についても順次和解する」と解説しました。
    田中弁護団事務局長は、「今回和解したのは7家族20人。国は被害者の原告に対して深くお詫びすると謝罪、一人1100万円以上の和解金。和解はうまくいっている」と期日の報告を行いました。

    矢野全国連絡会事務局は「原告を先頭にアスベストの恐ろしさを多くの人に知らせてきた今までの運動で国に勝利し、未提訴の被害者への給付金も成立し、大きな運動の山は越えたが、企業の謝罪なしにはこの運動は終われない」と儲けのためにアスベストを売り続けた企業を追い詰める運動の必要性を重ねて訴えました。

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